WSLでStata
StataのLinux版はWSLでも使うことができる。Linux版はCUIで使うこともできるし,GUIも普通に動く。とくにWindows版のStataで困っていなければまったく必要ない。個人的には,シェルやRStudioからStataのコードを実行できるのが便利。Jupyter notebookでも使える。
WSLにLinux版Stataをインストールする方法は,公式ページに説明されている通り。 ただし,libtinfoとlibncursesを事前にインストールしておく必要がある。
sudo apt install -y libtinfo5 libncurses5
上記の公式ページの通りにインストールを実行,終わったら画面に表示される指示にしたがい,(rootのままで)stinitを実行する。
/usr/local/stata17/stinit
指示にしたがってライセンス情報を入力すればOk。
WSLでもGUIが使える。ただし,GUIを使うにはlibgtk2.0-0というパッケージが必要なのでインストールしておく。
sudo apt install libgtk2.0-0
Stataを起動するには,/usr/local/stata17/にインストールされた以下のコマンドを実行(ライセンスにかかわらずすべてインストールされるが,ライセンスのあるものしか起動できない)。
バージョン | CUI起動コマンド | GUI起動コマンド |
---|---|---|
Stata BE | stata | xstata |
Stata SE | stata-se | xstata-se |
Stata MP | stata-mp | xstata-mp |
/usr/local/stata17にPathを通すか,エイリアスを作成しておくと便利。あと,rootになっているついでに,Stataを起動してupdate allしておくと良い。
PythonなどでJupyter notebookを使っているのであれば,StataもJupyter notebookで使いたいという場合は,以下の手順で可能。
たぶんAnacondaとかJupyter Labとかフルセットの環境を構築した方が良いと思うが,ここでは必要最低限でいきたい。
もしPythonのパッケージ・マネージャであるpipがインストールされていなければ,インストールする。
sudo apt install python3-pip
pipを使って,Jupyter notebookをインストール。
pip3 install notebook
~/.local/bin にインストールされるので,Pathが通っていることを確認しておく。
次に,Jupyter notebookでStataを操作するためのカーネルをインストール。
pip3 install stata_kernel
python -m stata_kernel.install
(2022.9.7現在) これでインストールされたstata_kernelは,Stata 17で使う場合にグラフ表示に不具合がある。Stata 17で使う場合には,githubからstata_session.pyの最新版をダウンロードして,~/.local/lib/python3.10/site-packages/stata_kernel/session_stata.pyを置き換えればOk。逆にStata 16以前の場合には,stata_session.pyを最新版に置き換えると不具合が起きると思う。
あとは,~/ に.stata_kernel.confが作成されているので,2行目にStataのPathを設定する(たとえば,stata_path=/usr/local/stata17/stata-mp)。
Jupyter notebookを起動して,kernelをStataに設定すれば使えるはず。
jupyter-notebook
自動的にブラウザが開くはずだが,ターミナルによっては開かない場合もあるみたい。その場合は,http://localhost:8888 にアクセスすればOk。
ブラウザで使うのも良いが,やはりVS Codeが便利。
- python
- jupyter
のextensionを入れれば快適な分析環境になる。
CUIのStataはRStudioで使うこともできる。RStudioのターミナルでStataを起動しておいて,エディタの右下にある言語を"Shell"に設定すれば,Ctrl+EnterでDoファイルを1行実行して次の行に移動できる。